このページではサイバー攻撃と、サイバー犯罪についてデータや実例を見ながら考えることをしてみましょう。
サイバー攻撃とは
サイバー攻撃とは
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ネットワークを介して、コンピュータやシステムの 破壊、データの搾取や改ざんを行うこと
とされています。
では、具体的にどのようなサイバー攻撃が、どのくらい発生しているのでしょうか?
警察庁のデータから全体像を想像することができます。
サイバー犯罪の統計を見る
以下に警察庁のサイバー犯罪対策:統計ページがあります。
このページの中から
「平成30年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について[H31.3.7掲載]」
を選択して、pdfファイルを見てください。
今回はこの資料からデータを引用しながら一緒に考えていきます。
サイバー犯罪の分類
1ページの「2 サイバー犯罪の情勢等」を見てみましょう。
警察庁の資料ではサイバー犯罪を大きく3つに分類しています。
何と、何と、何でしょうか?
分かりましたか?
アとイとウです。
- ア 不正アクセス禁止法違反
- イ 不正指令電磁的記録に関する罪、およびコンピュータ・電磁的記録対策犯罪
- ウ その他
です。
この名付け方を見る限りは、先ほど見たサイバー攻撃の定義からして、
アとイ=サイバー犯罪のような感じがします。
ウはネットワークを利用した犯罪かな?
では、この3つの分類を覚えておいて、次はサイバー犯罪の件数を見てみましょう。
サイバー犯罪の件数
【7ページの図表10】を見てみましょう。年別のサイバー犯罪発生件数があります。
サイバー犯罪の3つの分類に照らし合わせるとH30の検挙件数は何件あるでしょうか?
- ア 不正アクセス禁止法違反
- イ 不正指令電磁的記録に関する罪、およびコンピュータ・電磁的記録対策犯罪
- ウ その他
ア→564件
イ→349件
ウ→8127件
です。ウその他の件数がものすごく多いですね。
それに対して、ア・イ=サイバー攻撃は件数が少ないです。ということは、サイバー攻撃の社会的な影響は小さいのかな?
ウその他の内訳をみてみましょう。
【21ページ】を見てください。
どんな犯罪が多いでしょうか?
1.児童買春・児童ポルノ法違反(児童ポルノ)
2.詐欺
3.青少年保護育成条例違反
4.わいせつ物頒布等
5.著作権法違反
6.児童買春・児童ポルノ法違反(児童買春)
というように並んでいます。このデータから何か言えるでしょうか?考えてみましょう。
例えば、児童という言葉が多いですね。未成年が関係する犯罪の件数が多そうです。
他には?どんなことが言えそうでしょうか?考えてみましょう。
不正アクセスの影響
サイバー犯罪の分類、アとイ=サイバー犯罪の社会的影響についても考えてみましょう。
【8ページの図表12】に不正アクセス禁止法違反の検挙数があります。
H29が最も多く、H30は少し減っていますね。
インターネットバンキングに係る不正送金
次は【9ページの図表14】を見てください。
これはインターネットバンキングに係る不正送金の金額推移を表したものです。
不正アクセスの結果、お金を奪われた事件の被害額です。
H27が最大で30億円くらいですかね。そこからだんだん減ってH30は4億円です。
だんだん減っていますね。なぜでしょうか?
また検挙数から見ると、サイバー犯罪全体に対して不正アクセスの割合は少ないですが、その割に30億円ということは、
不正アクセスの被害金額は結構大きそうです。
仮想通貨の不正送信
【10ページ】には、不正アクセスの結果、仮想通貨を奪われた事件のことが書かれています。
この事件の被害額はいくらでしょうか?
なんと、677億円相当です。
やはり、不正アクセスというサイバー犯罪は、検挙数が少なくても被害が大きいようです。
まとめ
ここまでで、
- サイバー攻撃とは
- サイバー犯罪の3つの分類と件数
- サイバー犯罪の分類(その他)の件数と内訳
- 不正アクセスの件数と被害金額
を確認しました。
サイバー犯罪を見ると検挙数は、「その他」と分類されるものが非常に多いです。その他の中には未成年が係る事件がたくさんありました。
不正アクセスを含むサイバー攻撃の検挙数は多くありません。しかし、被害金額が非常に大きくなることがあるようです。